2008年07月17日

アメリカの迷信3: ライス・シャワー


リンガ・エスプレッソのヤスロウです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。前回の第2話から、長い時間が開いてしまいました。辛抱強く新しい回を待っていてくださった方々、お待たせしました!第3話をお届けします。


さて、今回も、前回前々回と同様、リンガ・エスプレッソ主催でお送りした第2回の公開スカイプキャストの録音から、ダイジェストでお送りしたいと思います。この公開スカイプキャストは、日本時間で2月9日(土)の昼12時から行われました。


このときののテーマは「アメリカの迷信」でした。前回の放送分では、最初に四つ葉のクローバーを取り上げ、次に結婚に関する迷信を取り上げました。結婚に関しては、ジューン・ブライドと、結婚式での花束投げについて、前回分ではカバーしました。まだの方は、是非お聞きになってみて下さい。


今回も結婚に関する迷信についての話が続きます。担当は前回から引き続き、リンガ・エスプレッソ講師のリナサムです。


リナがサムに質問をする形で、新しいトピックを導入しています。聞いてみましょう。ちなみに、録音時から音質がよくなく、少しお聞き苦しいところもあるかもしれません。あしからずご容赦ください。それではどうぞ。





非常に短いやり取りでしたが、聴き取れましたか?リナが"So have you ever thrown rice at someone after the wedding?"、つまり、「結婚式の後、米を誰かに投げつけたことはある?」と聞きます。それに答えてサムが、"Yes, I've done that."、「したことあるわ」、と言っていましたね。ちなみにこの直後にサムは、"Mmmhmm."と言っていますが、これは、「そうなのよ」といったニュアンスの表現で、会話ではよく使われます。


もちろん、誰かれともなく米を投げつけるというわけではなく、その参列した結婚式で結婚したばかりのカップルを狙って投げるのです。日本ではこのことを「ライス・シャワー」と呼ぶようです。この放送でも、簡便ですのでこの言い方をしますが、これは和製英語ですので気をつけてください。


とはいえ、"rice shower"と表現したら、全然通じないかというとおそらくそうではなく、結婚式の話題の中で使ったのなら、「ほう、そりゃ面白い表現のしかただ」、と、わかってもらえるのではないかと思います。ただし、我々日本人にとって悩みの種であるLとRの発音の区別だけはしっかりしてください。"Lice shower"などと言おうものなら、おぞましい光景を想像させてしまいます。


また、今まで単に「米」と表現しましたが、投げつけるのはもちろん調理していない生の米粒です。ご飯を投げつけようものなら、えらいことになってしまいます。


「ライス・シャワー」が和製英語なら、英語ではどう呼ぶのでしょう?実は、「ライス・シャワー」に相当するような独特の表現はないようです。動詞ではリナが言ったように"throw rice"、と、いわばなんのひねりもなく普通に表現するか、これのバリエーションとして"toss rice"という言い方をするようです。


それはさておき、先ほどのやり取りに引き続いてリナが、この結婚式後の「ライス・シャワー」について説明をしてくれます。先ほどのところも含めて、聞いてみましょう。





いかがでしたか?全体的スピードは相変わらずゆっくりでしたが、"fertility"という単語は初耳、という方がおられるかもしれません。この語は、"fertile"という形容詞の名詞形ですが、この"fertile"という語は、土地や土壌などについて使われたときは、「肥えた」、「肥沃 (ひよく) な」という意味で、人や動植物について使われたときは、「子沢山な」という意味になります。


リナは、米粒を投げるのは、米が"fertility"、つまり豊穣さを象徴するからだ、と説明していますね。ただし、ここで必ずしも子沢山になることを祈っているのではなく、もっと広い意味で、豊かな結婚生活になることを祈っているわけです。


ところで、"fertility"という語は、「子供を作ることができる能力」という意味でも使われます。「繁殖力」という言葉が当てはまる場合もあるでしょう。ですので、「不妊治療を行うクリニック」のことを、"fertility clinic"と呼びます。


また、聴き取りづらい語というと、「成長する」、あるいは、「育てる」という意味の動詞"grow"の名詞形である"growth"も意外と聴き取りにくかったかもしれません。


それではもう一度聴いてみましょう。





ところで皆さん、リナに訛りがあるのがわかりますか?彼女は南部で生まれ育った人ですので、ここシアトル近郊に移り住んで3年以上経った今でも、ところどころに訛りが出てきます。この録音の中では露骨な訛りは出てきていませんが、それを感じさせるのが彼女の"rice"の発音です。


"Rice"には二重母音[ai]が含まれていますが、これを(表記不能)のように発音するのが南部訛りの特徴です。ですので、南部訛りでの"rice"の発音をあえて大げさに真似してみると、(表記不能)という感じになります。


南部訛りというと、現アメリカ大統領のGeorge W. Bushも、その夫人のLaura Bushも、どちらも南部のテキサス州で育っていますので、二人とも南部訛りがあります。ですが、やはり全国向けに喋る機会の少ない夫人の方が、訛りが強いようです。ブログの方では、彼女のスピーチのビデオを掲載しておきますので、興味がある方はご覧になってください。






余談が長くなりましたが、ライス・シャワーに話を戻しましょう。リナは、最近は米粒の替わりに他のものを投げることが普通になってきている、それはさる理由で米粒を投げるのはよくないとされているからだ、と続けます。この、米粒の替わりに投げるものとは一体何でしょうか?また、米粒を投げるのがよくないのは、なぜでしょうか?この2点に注意してリナの発言を聞いてください。





どうでしょう、聴き取れましたか?それでは、米粒の替わりに投げるのは何でしょうか?答えは、birdseed、つまり鳥の餌になる種、ですね。では、それを米粒の替わりに投げるのはなぜでしょう?答えは、ライス・シャワーで投げられる米粒を鳥が食べて、病気になるから、ですね。


ここでリナは、鳥が病気になる、という表現をしていますが、一般には、米が胃の中で膨れ上がり、鳥が爆発する、と信じられています。しかし、米に親しんでいる我々にはこれは非常に奇妙な話です。もしそれが本当なら、米を啄ばむ鳥の害に悩まされている農家の方々は、大喜びではないでしょうか?しかし、そんな話は耳にしたことすらないはずです。


調べてみると、やはりこれはデマでした。ただし、教会や他の結婚式に使われる式場の多くが、米を投げることを禁じているのは事実です。これは、決して鳥のためではなく、単にその後の掃除が大変だから、という至極もっともな理由からでした。



これで今回の放送の内容はおしまいです。ですが、今回は、お別れする前に、お知らせがあります。


リンガ・エスプレッソが提供するサービスの主軸はプライベート・レッスンです。ですが、それとは別に、グループ・レッスンの形でライティング・コースも提供しています。これは、TOEFLや大学・大学院の出願書類で必要になる、英文エッセイの書き方を、段落の構成のしかたといった初歩から丁寧にお教えするものです。全8回コースで、最終回を除き、毎回課題があります。これを講師が丁寧に添削し、コメントつきで結果をお返しすると同時に、次の回で講師が詳しく講評することに特徴があります。


このコースの講師はこのポッドキャストでもおなじみのリナです。彼女は実は、ライティングの分野で博士号を取得し、その後アメリカの大学で教鞭をとっていたこともある、ライティングの専門家なのです。


このライティング・コースの第2期の初回が、日本時間で7/19(土)の10:30amから行われます。初回は参加無料ですので、ご興味のある方は奮ってご参加ください。コースの詳細やお申し込み方法については、リンガ・エスプレッソのウェブサイトをご覧下さい。


お知らせは以上です。


次回のポッドキャスト第4話では、今回のライス・シャワーに関する話の残りを済ませ、もしさらに時間の余裕があるようなら、「アメリカ人の日本人観」というテーマでお送りした第3回の公開スカイプキャストの録音からまたダイジェストでお送りしたいと思います。それではそのときまで、皆さんごきげんよう。


posted by ヤスロウ @ リンガ・エスプレッソ at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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